お酒を飲みたい夜もある

お酒は美味しい。ビールにハイボール、レモン酎ハイ、カシスオレンジ。おつまみをちびちびつまみながら飲むお酒はとても美味しい。みんなでわいわい飲むのも好きだし、ひとりでしっとり飲むのも好きだ。

そんな私が禁酒して早2年と数ヶ月。飲酒欲は以前ほどでなくなったが、飲食店やスーパーなんかでお酒が売られているのを見ると、いいな、飲みたいなと思う。

禁酒のきっかけは私がお酒によっては自殺未遂を繰り返すからで、今でも気分が落ち込んだ時にお酒を飲んでしまったら、そのまま逝ってしまうだろうな、という怖さはある。だから私は禁酒を続けているし、まだお酒を解禁してもよい時期ではないことはわかっている。

昨年一度スリップして缶酎ハイを1本飲んでしまった時があった。そのときは気分がとても落ち込んでいて、死ぬ気はなかったからただお酒を飲んだら現実逃避できて、気持ちよくなって楽になるのではないかと思い飲んでしまった。

しかし、そのとき得られたのは吐き気と眠気だけだった。全く気持ち良い気分にはなれなかったし、頭のなかをぐるぐるとかき回す思考の渦は止めることはできなかった。

気分をよくするために主治医との約束を破ってお酒を飲んだのに、気持ち悪くなっただけだった。

だからそれ以来、お酒を飲んでも思うような気持ち良さ味わえないのだと、お酒ではほしいものは得られないのだと悟りを開き、もうお酒は一生飲まなくてもいいなと思うようになった。

スーパーのお酒売り場に行っても何も飲みたくないし、居酒屋に行ってもソフトドリンクでおつまみをつまめれば満足になった。もう私はお酒を飲みたくなることはないとも思えた。

今日、ドン・キホーテに友達と行ってきた。お酒売り場に行き、このお酒が美味しいとか美味しくないとか話しながらお酒を見て回っていた私は、久々の飲酒欲求に襲われた。お酒が飲みたくて飲みたくてたまらなくなった。

酔っぱらって自殺するために飲みたいわけじゃない。ただ楽しくお酒を飲みたいだけ。せっかくの20代、飲み会で羽目を外してみたり、お酒を理由の笑い話を作ってみたりしたいじゃないか。そんな楽しみを奪われたのがすごく寂しい。

禁酒をしなければいけないのは自分のせいだし、誰のせいにできるわけじゃない。今死ぬつもりがなくお酒を飲んでも、お酒を飲むハードルが下がって自殺のためにお酒を使うこともないとは言い切れない。

まだお酒は飲んではダメだ。なんなら一生飲まないほうがいい。

それはわかっているけれど、大好きなものを手放さなければいけない人生は少しつまらない。

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